駅に壁画アートを制作するプロジェクト「SEIBU BLUE ART STATION」が11月20日、新桜台駅で始まった。西武鉄道とNOMAL(中野区)の共同企画。
アートをきっかけに駅とその地域に魅力を感じてもらうことで、利用客の愛着を狙う同プロジェクト。武蔵藤沢駅(埼玉県入間市)、航空公園駅(同所沢市)でも行い、各駅2組、計6人のアーティストが参加する。アート作品は西武グループのコーポレートカラーである青色をキーカラーとし、各アーティストは駅周辺の雰囲気や地域の特性から着想を得て制作する。
西武鉄道の担当者は「3駅は今年度、設備改良を実施する計画のあった駅で、設備改良に合わせてより魅力的な駅空間にするためプロジェクト実施駅に選んだ」と話す。
新桜台駅を担当するのはアレサ・ブラウンさんとイフクカズヒコさんで、先陣を切ってこの日、ブラウンさんが制作を始めた。ブラウンさんはオーストラリア出身の24歳。単色とポップなアイコンで描く作品が特徴。昨年、大阪府此花区で実施した壁画プロジェクト「MURAL TOWN KONOHANA」に参加した。「初めて描いた壁画がオーストラリアの駅で、また駅で壁画を描くことができて、とても素晴らしい」と話す。
今回描く壁画について、アボリジニの血を引くブラウンさんは「アボリジニ文化の狩猟や生活のイメージから制作している。日本も海に囲まれており、カヌーやウナギなどのアイコンを選んだ。駅周辺には大学があり、学生が壁画を見て、刺激されインスピレーションを受けるような形になれば」と話す。「アニメやコスプレが好きで、特にセーラームーンが大好き。日本のグラフィックデザインやアートにも非常に影響を受けている」とも。
今回使う青色の塗料が壁画専用で「オーストラリアでは売っていないので、日本の塗料を使えるのはうれしい」と喜び、制作中には「とてもいい青色」とうなる場面もあった。
制作場所は同駅 3番口近くのコンコースの壁で、高さ約2.5メートル、幅約10メートルと約8メートルの2面。制作期間中は目隠しなどを施さず、完成までの様子を見たり、写真撮影したりしてもらえるようにした。制作期間は約2週間。