石神井公園駅近くのそば店「蕎麦に銘酒 野饗（のあえ）」（練馬区石神井町3、TEL 03-5393-6899）が練馬産そばの実の収穫に成功し、現在、練馬産そばを提供している。

今年8月に行った種まきの様子

　「自分で育てたそばを打ってみたい」と今年、「そば栽培を応援する会」を立ち上げた同店。8月に約200坪の畑に、翌9月には約450坪の畑にそれぞれそばの種を植えた。練馬での成功例がないことから「収穫は厳しいのでは」という声もあったが、店主の山越龍二さんが毎日水をまき、発芽に成功した。

　10月、畑はそばの花で満開となり、11月19日、ついに初収穫を行った。収穫したそばは石神井氷川神社（石神井台1）で3週間天日干しした後、2週にわたって脱穀。その後、石抜き・殻むき・選別をし、種まきから112日後、練馬産そばの実が完成した。収穫量は約80キログラムで、全ての作業を手作業で行った。

　9月に種をまいた方の畑は収穫前に霜が降りてしまい、残念ながら全滅となった。「想像以上に手作業の手間がかかり、もしもう一つの畑で収穫できていたらもっと大変だったかも」と山越さん。

　練馬でそば栽培の記録はほとんど残っておらず、そば店自らそばを育て、収穫し提供するのは初。「農家でもそば栽培を試した人はいるみたいだが、ほぼ成功しなかったと聞いている。来年は、協力してくれる農家さんもいるので今後も続けていきたい」と意気込みを語る。

　練馬産そばは予約が必要で、今月30日までの限定。無くなり次第終了。「30日分までは、ある程度用意ができているので、ぜひ予約を」と呼び掛ける。特に指示がなければ盛りそばで提供するが、ほかのメニューでの注文もできる。「そば本来の香りが楽しめるおすすめの食べ方は、そばがき、または、かま揚げもいい」と山越さん。

　通常よりも手間がかかり、普段から用意することができないことから1月以降は、事前予約を受け付けた後に準備し提供するスタイルを予定する。

　年末の営業時間は、29日・30日が11時30分～20時。31日は11時30分～15時、17時30分～21時（夜はお任せコースのみ）。1月5日から通常営業。

　通常の営業時間は11時30分～14時、17時30分～22時（日曜のみ11時30分～20時）。月曜・火曜定休。