練馬区は2月11日、区民との協働で作成した冊子「食と防災」の配布を始めた。
大地震が起きたとき「家の中がどのようになってしまうのか」をイメージすることから始まる同冊子。災害時に電気・ガス・水道が停止しても、家にある食材を活用し健康に配慮した食生活を送るための知恵や工夫を、具体的なレシピとともに豊富なイラストや写真で紹介する。
作成したのは料理教室や配食サービスなどを行っているNPO法人「楽膳倶楽部」と区民防災組織「心のあかりを灯(とも)す会」。阪神淡路大震災で実際に自宅が被災した経験、ライフラインが停止している時の調理の工夫など、それぞれのノウハウを持ち寄るとともに、イラスト作成、写真撮影、編集など、メンバーの得意分野を生かして単なるレシピ集にはとどまらない冊子に仕上げた。区は防災に関わるデータの提供や、衛生面・栄養についての助言などを行い、冊子の作成に関わった。
東日本大震災から間もなく3年。「人々の防災意識が徐々に薄らいできている今、『食と防災』を考えることは、あなたとあなたの大切な人が元気でいるために必要なこと」(作成担当者)と思いを込めて作られ、こうした思いが周りにも伝わっていくよう「手紙」をモチーフにデザインしている。
区では今後、地域での防災講話や食のボランティアによる健康づくり活動での活用など、同冊子が家庭での防災対策や健康づくりに役立てられるよう取り組んでいく。
区内の図書館、防災課(練馬区役所本庁舎7階)、区民情報ひろば(同西庁舎1階)、健康推進課(同東庁舎6階)で配布している。