練馬区教育委員会は2月28日、「アニメーション撮影台」など6件を平成25年度登録文化財として発表した。
区では文化遺産を守り後世に引き継いでいくため、1986(昭和61)年3月に「練馬区文化財保護条例」を制定し、文化財の指定・登録を行っている。今回登録されたのは、「アニメーション撮影台」「森田家資料」「文明十七年の月待板碑(つきまちいたび)」「草摺引図絵馬(くさずりびきずえま)」のほか、「丸山東遺跡出土の片口土器」など2点。
「アニメーション撮影台」は1959(昭和34)年~1997年ごろまで東映アニメーション(旧東映動画)で使われたアニメーション専用のマルチプレーン撮影台。1960(昭和35)年公開の「西遊記」など数多くの作品の撮影に使われ、国内に残る数少ないマルチプレーン撮影台。「森田家資料」は区内で医院を営む家に所蔵されていた書籍・帳面などの資料317点で、江戸時代~明治期の医学書や教養書がまとまっている。
「文明十七年の月待板碑」は1485年、月待(つきまち)供養を記念して造立された板碑。月待とは二十三夜などの決まった月齢の夜に人々が集まり飲食し月を拝んで夜を明かす習俗。「草摺引図絵馬」は江戸時代に鳥居派の絵師が制作したと推定される縦=96.5センチ、横=122.8センチの大きな絵馬。歌舞伎の「草摺引(くさずりびき)」の場面が描かれており、区内には数少ない江戸時代の役者絵馬。
指定・登録候補の文化財は、区が事前調査を行い練馬区文化財保護審議会の答申に基づき、所有者の同意を得て指定・登録される。登録文化財の中で特に価値が高いものが、指定文化財として指定される。今回、区の登録文化財は203件、そのうち指定文化財は44件となった。
今回登録された文化財のうち、「森田家資料」「丸山東遺跡出土の片口土器」などは、石神井公園ふるさと文化館(石神井町5)で3月27日~5月16日、特別に展示する。