ちひろ美術館・東京(練馬区下石神井4、TEL 03-3995-0612)で現在、「はじめてみる、ちひろの世界。いわさきちひろ×佐藤 卓=展」が開催されている。
佐藤卓さんは1955(昭和30)年東京生まれ。「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」などの商品デザインのほか、NHK Eテレ「にほんごであそぼ」のアートディレクション、「デザインあ」総合指導などで活躍する。練馬区で育ち、同区にゆかりのある佐藤さんは同館のシンボルマークもデザインしている。
同展は、グラフィックデザイナーの佐藤さんがいわさきちひろを新たな視点からプロデュースする内容。会場では、佐藤さんのデザイン作品のほか、佐藤さんが選ぶちひろの作品、コラボ作品など総数125点(佐藤卓作品18点+等身大立体作品5体、ちひろ作品54点+ピエゾグラフ7点、コラボ作品41点)を展示する。
線画にフォーカスした展示では、43点中、初公開作品32点を展示。「未完の作品やささっと描かれたメモのようなスケッチにちひろの本質的なものが見え隠れしている。鉛筆が道具というよりも手の延長線上にあり、言葉がぽろっと漏れるように線が描かれる」と佐藤さん。「来場者から『こんな、ちひろ見たことない』との声も」と同館広報担当者。
関連イベントとして8月30日、佐藤さんと同館の照明も手掛けた照明デザイナー・面出薫さん、いわさきちひろの長男で同館の創設者の松本猛さんの3人が、ちひろの絵とデザインとの関わりについて話すトークイベントを開く。申し込みはホームページから受け付ける。参加費1,000円(別途入館料)。
開館時間は10時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)。入館料は、大人=800円、高校生以下無料など。11月3日まで。