ちひろ美術館・東京（練馬区下石神井4、TEL 03-3995-0612）で現在、「絵本になった！窓ぎわのトットちゃん」展と「聖コージズキンの誘惑」展が開かれている。

スズキコージ　やまのディスコティック　2013年

　「窓ぎわのトットちゃん」は、トットちゃんが小学1年生で学校を退学になるところから始まる、黒柳徹子さん（同館館長）の自伝的物語。戦後最高のベストセラーとなった同作品は昨年7月、絵本化された。

　同展では、絵本に収録されたいわさきちひろの作品を戦争の時代に夢を失わずにたくましく生きたトットちゃんたちのエピソードとともに展示する。「終戦70年の今年、ちひろと黒柳徹子に共通する子どもの幸せと平和への願いを、トットちゃんの物語を通して見つめ直す」と同館担当者。

　スズキコージさん（愛称＝コージズキン）は1948（昭和23）年、静岡県生まれ。「絵本作家になりたいと思ったことはない。気付いたらなっていた」というスズキさんが世に送り出した絵本は200冊超。現在は絵本、ポスター、壁画、舞台美術など幅広く活躍する。

　「聖コージズキンの誘惑」展では、デビュー作「ゆきむすめ」から出版以来高い人気を誇る「サルビルサ」、日本絵本賞大賞（2008年）を受けた「ブラッキンダー」などの絵本原画の数々を紹介。そのほか、ライブペインティングから生まれた巨大な作品（約2メートル×5メートル）、遊び心あふれる立体作品、再現アトリエなどを紹介し、「スズキコージのエネルギーを全開する」と同館担当者。

　開館時間は10時～17時（入館は30分前まで）。月曜休館（祝日の場合は翌平日、GW期間は無休）。入館料は大人＝800円、高校生以下無料。いずれも5月24日まで。期間中、それぞれギャラリートークなどのイベントを開く。