23区有数の「カタクリ」自生地として知られる清水山憩いの森(練馬区大泉町1)で3月17日、「カタクリ」の一番花が開花した。今年の見ごろは3月26日~4月2日になる見込み。
カタクリは、冬から早春にかけて陽光が降り注ぐ湿り気のある落葉樹林地に繁殖するユリ科の多年草。通常北向きの斜面林に多く見られ、武蔵野の面影を残す典型的な雑木林の同施設でも、北向きの斜面に自生している。晴天日など気温の高い時に開花し、夕方、曇りや雨の日、寒い日には花びらを閉じてしまう。練馬区みどり推進課によると、「きれいに咲く姿を見るには、天気のいい暖かい日に。4月8日ごろまで楽しめる」という。
カタクリの開花時期に限り、同施設に生態や森に生息する植物などを説明する「カタクリガイド」も常駐する。希望者は説明を聞くことができ、ガイドの説明を楽しみに訪れる人も多く、期間中約8000人が訪れる。ガイド申し込みは現地で受け付ける。受付時間は、4月15日までの毎日9時~17時。無料。
昨年、一番花が咲いたのは3月22日。昨年よりも早めの開花となった。カタクリガイドは「昨年より早く咲いたのは、適度な降雨があり、比較的気温が高かったためでは」と分析する。
同施設は1974(昭和49)年6月、白子川流域の斜面林にカタクリが自生しているという情報が区民から区に寄せられたことをきっかけに、区が貴重な自然を末永く保存するため1976(昭和51)年に「清水山憩いの森」として整備を行い一般に公開している。