練馬区立美術館(練馬区貫井1、TEL 03-3577-1821)で7月15日、「生誕100年 船田玉樹(ふなだぎょくじゅ)-異端にして正統、孤高の画人生。-展」が始まった。
昭和の時代に活躍した画家・船田玉樹の生誕100年を記念して開催される同展。船田玉樹の名を聞いて分かる人はよほどの日本画通と言われている。
船田玉樹は1912(大正元)年、広島県呉市生まれ。最初の師は、日本画家・速水御舟(ぎょしゅう)。しかし、間もなく御舟が没したため小林古径(こけい)に師事。日本画を基礎にした前衛表現を追究し制作に取り組んでいたが、戦後はふるさとの広島に引きこもって創作を続け、岩絵具や墨のほか、油彩やガラス絵などさまざまな画材と向き合った作品を残した。その作品は、「御舟や古径の芸術の精髄(せいずい)を正統に受け継ぎ、精緻(せいち)にして絢爛(けんらん)、端麗にして華美、そして豪胆そのもの」(同館)と説明する。
60歳でくも膜下出血により右半身が不自由となるも、右手で筆を持つことにこだわり油彩による自画像を描く習練からやり直し、やがて大画面に樹木の枝を繊細な筆致で捉えた作品を描くまでになったという。享年78歳。
同展では、晩年まで制作された多彩な作品約200 点を、師の速水御舟や小林古径、丸木位里や靉光(あいみつ)ら友人の画家たちの作品と併せ一挙公開し、絵を描くことが人生そのものだった、特異な画家の全容に迫る。
会期中、学芸員によるギャラリートークやコンサート、声優・銀河万丈さんによる読み語りイベントも予定。
開館時間は10時~18時。月曜休館(祝日の場合は火曜休み)。観覧料は一般500円ほか。9月9日まで。