デマンドタクシーの実証運行が1月6日、練馬区南大泉・東大泉地域で始まった。
運転手不足により路線バスやコミュニティーバスが減便する練馬区で新たな交通手段として実証運行するもので、区では初の取り組み。車両はミニバンタイプで6人乗り(乗務員席含む)、車いす乗車にも対応。駅前や病院、公園などあらかじめ決まった乗降ポイント間を客が乗り合って移動する。乗り合いの場合はAIが最適なルートを判断し運行する。運行事業者は、東都中央自動車、東都自動車交通、東都城北タクシー(以上、豊島区)。
今回、実証運行する南大泉・東大泉地域は「公共交通空白地域」と呼ばれる鉄道や路線バスなどの公共交通が利用しづらいエリアの一つ。同エリア内には35カ所の乗降ポイントを設け、エリア外に大泉学園駅や武蔵関駅など5カ所を設ける。移動はエリア内と、エリア内とエリア外の行き来ができる。エリア外のみの移動は不可。
利用方法は事前に会員登録をし、電話かアプリで予約する。予約は1週間前から当日まで可能。出発時間までに、予約した乗降ポイントでデマンドタクシーを待ち乗車する。乗降ポイントには「デマンド乗降ポイント」と記載された青色の目印が道路や店舗などに貼ってある。
この日乗車した70代の男性は「とても便利に思う。この地域は少し駅から離れた場所で、バスもなければタクシーもなかなかつかまらない。保谷駅方面の病院に行きたくても歩いては行けないし、大泉学園駅まで行って、またバスに乗るのは面倒だった」と話す。「実証運行が終わっても続けてほしい。その際には利用時間をもう少し延ばしてもらいたい」と希望する。
区では実証運行後の利用者アンケートや利用実態を踏まえ、利便性、収支採算性、区の負担を検証し、今後の取り組みを検討する。
運行時間は8時30分~16時30分。運賃は大人=300円、小学生=200円(エリア外を利用した場合はいずれも100円増し)、未就学児無料。3月31日まで。