東京医科歯科大学（東京都千代田区）の講堂で2月19日、「キャリア教育推進連携シンポジウム」が行われ、第3回キャリア教育アワードの審査会・表彰式で、練馬区が取り組む事業「アニメ産業と教育の連携事業」が最優秀賞の経済産業大臣賞および大賞を受賞した。

授業の様子

　同事業は2009年12月から、創作活動や体験学習を通じて健やかな成長を促すことを目的として、区とアニメ関連企業で組織する「練馬アニメーション協議会」が協力して実施している取り組み。区内小中学校にプロのアニメーターらが講師として出向き、優れた技術だけでなく制作にかける思いも伝える教育プログラムが高く評価され、今回の受賞となった。

　同事業を体験した子どもたちからは、「練馬でこんなにたくさんアニメが作られていることを知ってびっくりした」「手の動きが鮮やかで、プロはすごいと思った」などの感想が寄せられ、地域産業理解・キャリア教育・仲間との協働体験などの教育効果が認められたほか、協力するアニメ事業者からも、「子どもたちの自由な創作を間近に見ることで、新しいインスピレーションを受け、創作意欲をかきたてられた」「クリエーターとしての自分の仕事にあらためて誇りを感じた大変よい機会だった」などの声が上がっており、地域貢献だけでなく、講師のモチベーション向上にも一役買う取り組みとなっている。

　区では、区内の多くの子どもたちが「『アニメのまち 練馬区』を誇りに思ってくれるよう、この取り組みをさらに広げていきたい」と説明する。

　キャリア教育アワードは、企業などによる教育に優れた支援活動を促進することを目的として、取組事例を公募・表彰する制度。経済産業省主催。今回、38事例の応募があり、8事例が優秀賞を、その中から3事例が最優秀賞（経済産業大臣賞）を、さらにその中から1事例が大賞を受賞した。

　同シンポジウム内で行われた文部科学省・経済産業省主催の「キャリア教育推進連携表彰」でも、同事業が奨励賞を受賞した。