北町8丁目の畑で12月1日、「練馬大根引っこ抜き競技大会」が開催され、区内外から集まった1歳から77歳までの参加者約500人が伝統の江戸東京野菜「練馬大根」の引っこ抜きに挑戦した。
7回目の開催となる同イベント。知名度の高い「練馬大根」を引き抜くという農業体験を通じて、農業への関心を高めることと、ほとんど生産されなくなった練馬大根を復活させることを目的に開催している。会場は相原和彦さんの農園で、園主の相原さんが3カ月間育てた約4000本の練馬大根が用意された。
細長く中太りの形状の練馬大根は、引き抜くのに一般の青首大根の3~5倍の力が必要とされ、開会式では「大根をまたいで、背筋を使って手前に引くのではなく上に引くイメージで」と相原さんが抜き方の手本を見せた。
競技は、時間内に抜いた本数を競う「選手権の部」(男性の部・女性の部)と、時間内に抜いた大根の中で最も長い一本の長さを競う「グループ参加の部」の2部門で行われた。参加者は、なかなか抜けない練馬大根を相手に悪戦苦闘し、「抜けない」「疲れた」といった言葉を漏らした。
選手権の部総合優勝は、26本を抜いた区内在住の萱島(かやしま)正好さん。第1回から参加し、7回目の挑戦で悲願の優勝を果たした。「最初は7本くらいしか抜けなかったが、農家の方にも教わってコツをつかんだ」という萱島さん。「勝因は本当に頑張って、くじけないこと。以前は足で蹴って折ってしまったこともあったので。来年も優勝を目指したい」とも。
「グループ参加の部」では、東山俊雄さんら親子3人のグループが、90.3センチの練馬大根を引き抜いて優勝したほか、記録の部として、最も長い大根(93センチ)、最も重い大根(3.5キログラム)、面白い形をした大根、園主お気に入りの大根も表彰された。
この日、収穫した練馬大根は参加者に配られたほか、練馬区立の全小中学校の給食食材に使われる。