練馬区立美術館(練馬区貫井1、TEL 03-3577-1821)で現在、企画展「野口哲哉-野口哲哉の武者分類(むしゃぶるい)図鑑-」が開催されている。
野口さんは1980年香川県生まれ。樹脂やプラスチックなど、現代的な素材を駆使して古びた姿の鎧(よろい)武者を造形し、それらの織りなすうそとも現実ともつかない魅力的な世界観を構築する美術家。コレクターは国内外に及び、展覧会出品作、個展での評価も高く注目される作家の一人。
作品の大半は侍をモチーフにしながらも実際には存在しない「でっち上げ」の世界で、南蛮渡来のシャネルのマークを家紋とした甲冑(かっちゅう)をまとった紗錬家(しゃねるけ)の武者像「シャネル侍着甲座像」や兜(かぶと)に付いたプロペラ型の立物で空中を浮遊する武者の絵画作品「ホバリングマン 浮遊図」などユニークで独創的なものとなっている。「当時あたかもそんな武者がいたかのように、巧妙に古びた画面を演出している」と同館担当者。
同展は初の個展で、新作を含めた全作品約90 点を中心に、発想の原点となった古今の美術作品や写真、グラフィックデザインなどを併せて展示し武者世界を紹介する。
会期中、関連イベントとして野口さんとゲストによる対談イベントのほか、記念コンサートなどを開く。
開館時間は10時~18時。月曜休館(祝日の場合は翌平日休み)。観覧料500円など。4月6日まで。