練馬区立大泉第二中学校で3月14日、区の行政相談委員が3年生の生徒225人に対して出前教室を行った。
同教室は、未来を担う子どもたちに日常生活と行政との関わりや身近な行政の問題を取り上げ、行政に関心を持ってもらうことを目的に開くもの。同区では2006年、23区として初めて実施した。その後、区の行政相談委員が主催し、総務省東京行政評価事務所が支援して毎年、区立小中学校で開催している。
生徒には事前に、行政についてのアンケートを実施。行政相談委員は、寄せられた147件全ての事案について、現地を調査し解決のための助言や関係行政機関の意見を聞くなどの取り組みを行った。
出前教室の当日は、その過程をテキストにして生徒全員に配布した。生徒からの要望・意見は身近なものが中心で、今回寄せられた「畑が多い道路に街路灯を設置してほしい」に対しては街路灯が設置され、「地域の図書館の本棚が高く、図書が取りにくい」に対しては踏み台が設置された。
行政相談委員の藤崎桂子さんは「行政について興味を持たない人が多い時代。出前教室を通じて、これから社会に巣立つ生徒たちに、『行政』や『行政相談』は自分自身の生活に密接に関わりがあることを意識してほしい」と期待している。
生徒を代表して安藤実玲さんが「今日は私たちの質問に丁寧に回答していただき、ありがとうございました。一人一人のちょっとした意識で街を良くできると思いました」とお礼の言葉を贈った。
行政相談委員は、行政相談委員法に基づいて社会的信望があり、かつ行政運営の改善について理解と熱意を有する人を総務大臣が委嘱した民間ボランティア。区民の相談相手として、国や独立行政法人の行政サービスに関する苦情、行政の仕組みや手続きに関する問い合わせなどの相談を受け付け、その解決のための助言や関係行政機関に対する通知などの仕事を無報酬で行っている。練馬区では10人の行政相談委員が委嘱され活動している。