西武鉄道は3月24日、東京都・練馬区と進めている「西武鉄道池袋線(練馬高野台~大泉学園駅間)連続立体交差事業」で石神井公園~大泉学園駅間の下り線高架化により、同区間の踏切の遮断時間が約4割減少したと発表した。昨年11月24日に下り線を高架線に切り替えた。
同事業では練馬高野台~石神井公園駅付近までの1期区間(約1.2キロ)の高架化と複々線化が2012年11月までに完了し、現在は2期区間である石神井公園駅付近~大泉学園駅付近までの約1.2キロで工事が進められている。
同社によると、同区間にある3カ所の踏切の遮断時間は1日10.5時間(昨年11月調べ)だったが、下り線の高架化後は1日6.6時間(今年1月調べ)となり、約4割減少した。
地域住民へのアンケートによると、「信号待ちによるイライラが解消された」という質問に対して約9割の人が「良くなった」「やや良くなった」と回答している。「下り線の高架化だけでも非常に便利になった。早く上り線が高架化されることを期待している」「高齢のため足が悪いので、踏切の横断時間が短くなり安全になった。感謝している」との声も。
「踏切での交通渋滞の解消、鉄道により分断されている街の一体化やお客さまの利便性向上などを図るため、今後も連続立体交差事業の推進に積極的に取り組みたい」(同社広報担当者)と話す。
同事業は、1971(昭和46)年の都市計画決定以来、池袋線の練馬高野台駅付近から大泉学園駅付近までの約2.4キロについて道路と鉄道との連続立体交差化を行い、併せて側道を整備するもの。この事業により9カ所の踏切がなくなり、交通渋滞が解消と輸送サービス向上が図られるとしている。