銭湯「久松湯」(練馬区桜台4)が5月15日にリニューアルオープンし、銭湯では区内初となる露天の天然温泉を提供する。
温泉は、今回のリニューアルに合わせて地下1500メートルから引き当てた。東京23区に湧出する温泉の特色でもある茶褐色、海水のような塩気のある塩泉で、保温効果やリラックス効果があるという。
ほかにも浴室の壁面をスクリーンとして使う映像演出を取り入れ、「銭湯はもちろん、スーパー銭湯でもこういった設備を取り入れているところはないと思う。お客さんに目でも楽しんでもらい、ゆくゆくは練馬の四季の写真などを映して、練馬の魅力を銭湯から発信したい」と店主の風間久松さん。
「今はどこの家にも浴槽があって、利用者が減少する厳しい状況。しかし、そんな状況だからこそ、大幅な改築工事を行った。一人でも多くの方々に利用してもらい、銭湯の魅力を感じてほしい。うちの浴場以外にも区内にはさまざまな魅力ある銭湯がある。これからも行政などと連携して銭湯の魅力をPRしていきたい」とも。
近年、公衆浴場は全国的に減少傾向にあり、区内でも1989年に82軒あった銭湯が現在は約3分の1の29軒となっている。このような厳しい状況の中、国および地方公共団体では住民の公衆浴場の利用機会確保に努めることが求められている。区でも、りんご湯やゆず湯といった季節湯の実施を通じた利用啓発のほか、設備改善、燃料費に対する助成などを行っている。同店のリニューアルオープンには区の補助金に加え、東京都の補助金が活用された。
リニューアル後の営業時間は11時~23時。火曜定休。