西武池袋線・桜台駅近くの豊玉リサイクルセンター(練馬区豊玉上2)で8月20日、写真家・森リョータさんの写真展「366日目」が始まった。
森さんは音楽を中心にアーティストのポートレート・ライブなどの写真で活躍するフォトグラファー。ブランド広告やスポーツ関連の撮影も手掛けている。
森さんの故郷である福島県会津若松の風景を捉えた同展では、東日本大震災後の四季を通したあらゆる風景をありのままの姿で記録した写真を展示する。タイトルの「366日目」には、1年の区切りを迎えても、あの日の記憶を抱えたままの日々はこの先も一日一日とカウントされ続けていくという思いが込められている。
「福島県出身のカメラマンとして自分に何ができるのか考えた時に、『記録を残す』くらいしか頭に思い浮かばなかった。被害の大きかった沿岸部などは、報道関係者をはじめ多くの人が撮るであろうことは予想したので、それならば自分は故郷の会津若松を撮ろうと思った」と森さんは振り返る。
「会津若松自体も甚大な被害が経済的・精神的にもたらされたが、目に見える範囲での被害が少なかったということもあり、分かりやすい形での震災後の風景はここにはない。写真を見た人それぞれ自由に感じてもらえれば。『こんなにも雪が降るんだ』でもいいですし…」とも。
今年5月末に新宿のゴールデン街でスタートした同展。今後は栃木の那須や静岡、大阪など全国を巡回する。最終開催地は会津若松。巡回展の会場は、森さんの友人・知人の紹介を通して決まった場所が中心で、同会場もその一つ。「会場関係者の方々含めご協力いただいた皆さんには大変感謝しています」と話す。
展示時間は9時~17時。水曜休館。入館無料。今月31日まで。