練馬文化センター(練馬区練馬1)で10月18日、アニメ「四月は君の嘘(うそ)」最終話スタッフ生コメンタリー&トークイベントが開かれ、イシグロキョウヘイ監督、声優・種田梨沙さん、茅野愛衣さんが登壇した。
練馬を主な舞台とした同アニメは、昨年10月から今年3月までフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送された。クラシック音楽と恋を描いた物語で、最終回では「涙が止まらない」などとネットで話題となった。原作は新川直司さん。月刊少年マガジン(講談社)で2011年5月から今年3月まで連載した。
生コメンタリーは最終話だけでなく、茅野愛衣さんが演じた相座凪が活躍する18話も追加された。18話では、「実は観客に自分が出てきます。ほかのスタッフも」とイシグロ監督が話し、観客シーンを注目する展開に。「ご褒美というわけではないが、自分たちが関わる作品に登場できることでモチベーションが上がる。明らかに学生ではない人がいるとも言われましたが」とも。イシグロ監督の登場は2回で、スクリーンに映し出されると会場内は笑いが起こった。茅野さんも凪の兄・武士とのやりとりの演出について語り終始、笑いの絶えないコメンタリーとなったが後半、病院の屋上で主人公・有馬公生と種田さんが演じた宮園かをりとのシーンが映し出されると、しんみりとした雰囲気に。
「鍵盤ハーモニカでの演奏を間違うシーン。よく見ると指が震えていて、かをりの肌色も悪くなって、そうとうつらい状況なことが垣間見られるシーン」と種田さん。18話のエンディングシーンではイシグロ監督が、「水面に浮かび、涙を流すかをりのシーン。実は、自分の涙に浮いているという演出。明るく振る舞う裏では、ずっと泣いていたと思い、たくさん涙を流したことを表現したかった」と裏話を披露した。
最終回のコメンタリーでは、「一番見ているのが最終回で、涙の皆勤賞」(種田さん)、「生き生きしているかをりと、悲しそうな顔の公生が演奏するシーンは切ない」(茅野さん)、「アニメは尺にどう収めるかが難しく。最終回は演奏シーンと手紙のシーンを全て入れたかったので、原作から拾い上げられなかったシーンも」(イシグロ監督)とそれぞれコメントを話した。上映中、「もうだめだー」と種田さん、茅野さんも涙を流す場面も。そのほか演出、音楽、演奏など多くの裏話が披露された。
後半のトークイベントでは、アニプレックス宣伝プロデューサーの相川和也さんのピアノ演奏からスタート。朝から練習したという曲は、1話でかをりが演奏した「ハトと少年」。演奏中、作中のかをりのせりふ「アゲイン」(種田さん)と言われ何度もやり直す場面が見られたほか、ツイッターで募集した質問に答えるなど和気あいあいと行われた。
最後のあいさつでは、「切ない話だがとてもすてきな作品だった」(茅野さん)、「忘れられない大好きな作品。皆さんの心の中にも残り続ければ」(種田さん)、「アニメ放送が終わって半年もたつのに、このようなイベントを開けることはとても幸せ。来年もぜひ行いたい」(イシグロ監督)とそれぞれ感想を述べた。