練馬区在住の絵本作家・大川久乃さんが5月2日、キャベツ畑を題材にした絵本「キャベツのくすくす」を出版した。
福音館書店(東京都文京区)が月刊絵本「こどものとも年少版」の6月号として出版したもので、著者は大川さん(文)、伊藤秀男さん(絵)。キャベツ畑を舞台に、笑いが波のように広がっていく大騒動を、流れるような文章と、愉快でおおらかな絵で描いている。
同区に引っ越して「最初に見つけたお気に入りの場所が、近所のキャベツ畑だった」と振り返る大川さん。「キャベツがぎっしりと並んだ様子は実に爽快で、通るたび足を止めずにはいられない。キャベツたちは、ある日は静かにお昼寝、ある日はさざ波のように揺れ、(時には)夕焼け色に染まったり。キャベツ一つ一つがお地蔵さまに見えることもある」という。
キャベツ畑は、区内の野菜畑の約4割を占め、同区の農業を象徴する野菜となっている。大川さんにとっても「一番身近なパワースポット」といい、「キャベツ畑にもらった元気を、絵本のかたちでたくさんの子どもたちに届けられたら」と話す。
「こどものとも年少版」は、2歳~4歳の子どもを対象にした月刊絵本で、「小さな子に読んでほしいのはもちろん、言葉のリズムや伊藤さんの色彩豊かで迫力ある絵を、年齢を問わず多くの子どもたちにぜひ楽しんでもらいたい」と大川さん。「大人の方にも、いつものキャベツ畑に違った風景や声を見つけてもらえたらとてもうれしい」とも。
価格は410円。全国書店で販売。