ちひろ美術館・東京(練馬区下石神井4、TEL 03-3995-0612)で8月7日より、「ちひろ・絵本づくりの現場」展が開催される。
生涯にわたって絵本表現の可能性を追求し続けた画家・いわさきちひろ。同展では、「りゅうのめのなみだ」など1960 年代の物語絵本から、平和の願いを込めて描いた最後の作品「戦火のなかの子どもたち」まで、ちひろの絵本表現の軌跡を追う。
絵本の原画、習作やスケッチ、ダミーなどの展示とともに、制作の現場を知る当時の編集者の証言も併せて紹介し、絵本づくりに懸けたちひろの思いを浮き彫りする。
1964(昭和39)年10月には、次のような言葉を残し絵本づくりへのこだわりを見せている。「さざなみのような画風の流行に左右されず、何年も読みつづけられる絵本を、せつにかきたいと思う。もっとも個性的であることが、もっとも本当のものであるといわれるように、わたしは、すべて自分で考えたような絵本をつくりたいと思う」。「なかよしだより」(講談社)455号より。
同館広報担当者は「たくさんの人に絵を見てもらいたいと印刷美術での仕事を選んだちひろにとって、理解ある出版社や編集者との出会いは、絵本を舞台にしての新たな画境を開くきっかけともなった」と説明する。
開館時間は10時~17時。入館料は、大人=800円、高校生以下無料。月曜休館(祝日の場合は翌平日休館)。