石神井公園ふるさと文化館(練馬区石神井町5、TEL 03-3996-4060)で1月19日より、手塚治虫さんの代表作「鉄腕アトム」のテレビアニメ放送開始から50周年を記念した特別展「鉄腕アトム放送50周年記念 アトムが飛んだ日」が開催される。
開催に先立ち18日に開かれた内覧会には、手塚さんの長男でヴィジュアリストの手塚眞さんとアニメーション制作会社、虫プロダクションの伊藤叡社長らが参加した。
手塚さんは「私も51年前に練馬で生まれた。漫画の連載も考えるとアトムのほうが少しお兄さんで、子どものころから自分の兄弟のように思っている。今日は皆さんに愛されているいい兄貴をもって幸せに思うとともに、このような機会を頂けて大変感謝」といい、伊藤社長は「僕が編集の仕事で最初に助手として名前を載せてもらったのが、第172話『ヘラルド兄弟の巻』。今日はとても懐かしいし、このようなイベントができてうれしい」と、それぞれ喜びを表した。
鉄腕アトムが残した功績については、「今や日本のアニメは世界に誇れる文化。その発端が50年前のアトムから始まったと考えると意義深いし歴史的なこと」と手塚さん。アニメ鉄腕アトムは、日本のアニメ制作のスタイルを確立し、出版社とテレビ局が共同にアニメを制作するビジネスモデルやマーチャンダイジングなどのキャラクタービジネスを誕生させた。ロボット開発などの科学技術者にも影響を与え、「現在の日本の文化・科学・経済に影響を与えた作品だと思う」とも。
会場では、「手塚治虫とアニメーション」「アトムが飛んだ日」「日本のアニメーション発祥の地・練馬」の3章に分けて展示し、手塚治虫さんがアニメに興味をもったきっかけから虫プロダクション発足、アトムの誕生の流れを見ることができる。原作漫画の直筆原稿やセル画などの貴重な資料約120点を展示するほか、鉄腕アトム第1話「アトム誕生の巻」も上映する。
開館時間は9時~18時。月曜休館(祝日の場合は火曜休館)。観覧料は一般300円ほか。3月24日まで。