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ありがとう「としまえん」 94年の歴史に幕

手を振ってあいさつする従業員一同

手を振ってあいさつする従業員一同

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 としまえん(練馬区向山3)が8月31日、閉園した。

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 1926(大正15)年に開業した同園、80年代絶叫マシンブームに乗り多くのアトラクションを導入。奇抜なテレビCMも発信し多くのファンを作った。ピークの年間来場者数は約400万人。バブル経済崩壊後、同園の来場者数は年々低下し年間約100万人になったという。その後は、家族をターゲットに切り替え子どもが楽しめる乗り物を毎年追加していった。春は桜、夏はあじさいやプール、冬はアイススケートやイルミネーションなど、年間を通してイベントを企画し地元民に愛された遊園地だった。

 営業最終日となったこの日、平日にもかかわらず最後のとしまえんを楽しみたいと多くの人が集まった。特に同園のイメージでもあり、日本最古のメリーゴーラウンド「カルーセルエルドラド」には多くの人が列を作り、最大約2時間30分待ちとなったほか、人気コースターのサイクロンも同様に多くの列ができ早々に営業を終了した。列の最後尾に「本日の営業は終了しました」と看板が掲げられると、「間に合わなかった」など落胆する声もあった。

 20時からは、花火が約7分間打ち上げられ、最後の花火に多くの歓声と拍手が起こった。その後、カルーセルエルドラド前でファイナルセレモニーが開かれ、依田龍也社長は「としまえんをご支援いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。また地元住民の皆様には園内や花火の音などご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。閉園の発表がされた以降、多くのメッセージをいただきました。これほどまで愛されていたとしまえんで勤めることができ、思い出作りの役に立ったことは幸せであり、誇りに思っています。ぜひ皆さん、としまえんがここにあったことを心の片隅でも記憶に留めていただければ幸いです。エルドラドに関してはたいへん老朽化しているので、これを機に一回解体ししっかりメンテナンスした綺麗なエルドラドをいつかお披露目したい」とあいさつ。

 最後に、無人のカルーセルエルドラドの最終運転が従業員、来園者に見守られる中行われた。依田代表が「本当に94年長きに渡りとしまえんを愛してくださいましてありがとうございました。エルドラドは永遠に輝き続けると思います」とあいさつすると会場からは拍手が沸き起こった。同園スタッフ一同が手を振ってあいさつすると会場からは「ありがとう」「おつかれさま」と声援も。自然と来場者による花道が作られ、スタッフが手を振って見送りされる場面も。

 名残惜しむ来場者が残る中、としまえんの94年間の歴史に幕を下ろした。

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