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練馬でアートイベント「全児童自動館」-中高生とアーティストが映画作り

「全児童自動館」のフィナーレは全員がグランドでダンス

「全児童自動館」のフィナーレは全員がグランドでダンス

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 西武池袋線・中村橋駅近くの中村児童館(練馬区中村2)で3月17日、中高生とアーティストが作るアートイベント「全児童自動館」が行われた。主催は東京都、東京文化発信プロジェクト室(東京都歴史文化財団)、アーティスト・イン・児童館実行委員会。

フィナーレのダンス中に映画ラストシーンを撮影

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 同委員会の臼井隆志さんは「表向きは中高生による児童館の文化祭だが、実は自主映画を完成させるためのセットであり、ドキュメンタリー映画を撮影するための企画でもある」と話す。

 「アーティスト・イン・児童館」は同区の児童館にアーティストを招き、創作・表現のための作業場として使ってもらうことで、子どもたちとアーティストが出会う場を作ることを目的としている。東京都と東京都歴史文化財団が実施する「東京文化発信プロジェクト」で展開する「東京アートポイント計画」の一環。

 2010年8月に、中高生の居場所づくり事業「なかなかTIME」を実施する中村児童館にアーティストユニット「Nadegata(ナデガタ) Instant Party(中崎透さん、山城大督さん、野田智子さん)」を招待。同ユニットは2年間児童館に通い子どもたちと交流を深めることで、このアートイベントを企画した。

 中高生を含むプロジェクトスタッフには、「文化祭を成功させたい」「自主映画を完成させたい」「ドキュメンタリーを撮影したい」などさまざまな目的があり、文化祭を舞台にそれぞれの活動が絡み合い進行していく。参加者も文化祭を楽しむ観客であり、映画のエキストラとしての出演者となる。

 当日は、未完成の自主映画上映、綿あめ・喫茶店・ネイルサロン・お化け屋敷などの模擬店、ダンス・プロレス・バンドなどの出し物が行われた。撮影であるため、監督による「アクション」「カット」というタイミングで文化祭が進行し、フィナーレは全員でダンスを踊って終了。フィナーレは、未完成映画のラストシーンの撮影も兼ねて行われた。

 文化祭終了後のアフタートークでは、「映画を撮影するから文化祭を開くと言われて最初はよく分からなかったが、いつの間にか『やらなきゃ』という使命感みたいなものが生まれた」などの感想が子どもたちから聞かれた。「アーティストのナデガタは意味不明で、臼井さんは普段何をしている人かよく分からない」という意見もあり笑いが起こる一幕も。今回撮影した映画の上映については「未定だが何かしらの方法で上映したい」と臼井さん。

 同館の加納ひろみ館長は「中高生の子どもたちが主役となって、職員とは違う大人と協力してアートイベントに参加できたのは子どもたちにとっても私たちにとっても良い経験になった。当日は他の区や県からも見学に訪れた人もおり、このイベントを通じて、児童館は大人になってからも活用できる場所であると広めていきたい」と話す。

 「なかなかTIME」は中村児童館が、練馬区の「中高生の居場所づくり事業」として始めた事業。児童館の毎週水曜・土曜の17時~19時を中高生のための時間とし、小学校卒業後も利用してもらうもの。4年前に同館がモデル事業として始め、現在では同様な事業を6館で実施している(「なかなかTIME」は同館だけの愛称)。

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